Surrender and Trust
診察の後、涙が枯れるのではないかというぐらい泣きました。
今回、初めて会う産婦人科医との対面。
どんな話をしようか、どんな先生なのだろうかと、胸を膨らませてアンドリューと
行きました。
ただ、思った通りには行かなかった。
『あなたは、高齢出産なので、40週に入ったら、陣痛促進剤を打つ事を視野に入れます』
『あなたは、高齢出産なので、私はやめさせる事はできませんけど、自宅出産は私はあなたには推奨しません。何かあってからでは遅いですから。』
『あなたは、糖尿病の検査をしていないけど、してください。オレンジ色の飲み物以外の方法はありません。必ず次回の診察までに検査をして来てください』
そんな感じ。
自分の中で、彼女に対して何も言えなくなって、心を閉ざしているのが分かった。
もう話しても伝わらないだろう。
私と彼女の出産に対するビジョンが違うのだろうから。
自宅出産を助産婦さんの元でしよう。
そう心の中で決めていました。
ただ、彼女の最終的な言葉で私は、そうも行かなくなることに。
『あなたの胎盤は、低いところに有ります。
子宮口から2センチ以上離れていないと自然分娩は望めません。
前置胎盤ではないけど、低い位置よ。
なので、帝王切開の可能性もある事を視野に入れてください。』
(え?帝王切開???)
彼女、今、帝王切開って言った?
そこでアンドリューが
『ただ、子宮がこれから大きくなって、子宮口から胎盤が移動する場合もありますよね?』
と尋ねると、
『ええ、20週とかだったらね。
でも、今の時点で29週でこの位置だったらさほど変わる事はないと思うわ。
まあ、望みを持っていてもいいけど、37週には決定するわ。
あなたは高齢出産なので、超音波のスペシャリストのところに
この3週間以内に行って、指示をもらって来てください。
帝王切開にするのか、どうなのか』
後半は、彼女が何を言っていたのかあまり覚えていない。
でも、彼女がパタンと扉を閉めて、出ていった瞬間に涙が溢れ出て来た。
あんなに陣痛を感じて、自分の女性としてのカラダの機能をフルに感じたい。
そのために、体力もつけたし、食事もしっかりして来たし、これからヒプノやブラッドリーメソッドだって受けるつもりだったのに。
どうして??
私の思う形とは全く違う方向へと船が進んでいくことに、
私は正直泣くしか出来なかった。
陣痛も感じないかもしれないんだ。
産道も通らないかもしれないんだ。
お腹を切るのかもしれないんだ。
麻酔を打つかもしれないんだ。
赤ちゃんのタイミングではないんだ。
今まで自分が思い通りに行かないことなんて、たくさんあった。
でも、これは、自分のパッションである子宮の働きを知りたいのに、
こんな事ってあるのだろうか。
今まで、読んで来た本はなんだったんだろう。
今まで、想像して来た事はなんだったんだろう。
今まで、胸を焦がしていた事はなんだったんだろう。
ヒプノバースも、ウンコ訓練も、bradly methodも、なんだったんだろう。
泣いていれば泣いているほど、お腹の赤ちゃんが蹴り続ける。
お腹の痛さと、心の痛さとどちらが痛いのかわからないほど泣いていた。
夜もずっと泣いていた。
アンドリューは、私を、リビングの私たちの誓いの言葉を掲げた所に手をとって
連れて行き、祈ろうって言った。
『神様。。。。。』
そういって話しかける彼にも泣けて来た。
今、座っているこの場所で産もうと決めていた。
こんな風に神様の前で産めたら、と思っただけで心が震えたから。
『ここでどうか、赤ちゃんを産ませてください』
そう彼が神様に祈りをあげた横で私は涙でグチャグチャになっていた。
人生で思い通りに行かないことなんて、山ほどある。
山ほど体験して来た。
それでも、これはさすがにキツイ。
胎盤を手で動かすことが出来たら、、、たったあと2センチなのに。
祈ることしかできない今の状況に私は、自分のパワーを失ったかのように放心した。
翌日、大切な友人たちが遊びに来た。
美味しいご飯を山盛り作って来てくれた。
そして、赤ちゃんのだき方とか、産前産後についてとか、教科書を持って来てくれた。
胎盤が移動する方法ってあるかなって聞きたくて
昨日あった事を二人に話した。
話す中でやっぱり泣けて来た。
すると、
『赤ちゃんが胎盤をそこにつけたのって意味があってのことだと思うんだよね。
自然分娩をどうしてもしたい!って思っているいず美ちゃんに何か伝えようとメッセージがあるんじゃないかな。』
そういってくれた彼女にハッとした。
そして、
『すごく一生懸命に考えているけど、力が入っているなあって思ってたよ』
と、もう一人の出産経験のある、絶賛子育て中のお友達が言った。
愛でつながっている友達の言葉が私の心に入って来た。
『たとえ帝王切開であったとしてもね、神様はいず美ちゃんとアンドリューのそばにいつでもいるんじゃないかな。この場所じゃなかったとしても。
どんな出産だって、愛に包まれて産むっていう事をお母さんが決めることってできるんじゃないかな。
きっとそこが手放せたら、もしかしたら帝王切開の前に陣痛が始まって赤ちゃんが産めちゃったりして。』
ふわっと視界が広がった。
本当だ、私、こんなに執着していたんだ。
どんな出産になったって、私は愛にフォーカスをする事ができるのに。
それだけが一番大切なのに、何をしていたんだろう。
すると、その晩に別の友人が私に言った。
『いず美、もしもね、
神様がこのチャンスをあなたに与えたいと思っているのだとしたら?
今のあなたには、どうしてこんな辛い思いをするのかわからないかもしれない。
でも、振り返って見たときにあなたはこの経験をギフトとしてもらったんだと
ギフトにできる強さがあるのを私は知っているわ。
先日のあなたのセッションを受けたとき、
あなたって本当に強い女性なんだって思ったもの。
思い通りにいかないことに嘆くのではなく、
これは、神様からのギフトなんだって捉えて、surrenderして見たらどうかしら。
あなたの皮膚の病気だって、自殺しようと考えていた過去だって、
今のあなたに大きく貢献しているじゃない。
神様からのギフトよ。その流れに身を委ねることを私は提案するわ。』
低い位置の胎盤。
これが神様からのギフトなのだとしたら。
泣いていたって、赤ちゃんにストレスホルモンしか渡せない。
私が大切に今できる事ってなんだろう。
そう思って、私はインテグレイティッドヒーリング(IH)のセッションをしました。
私の魂が求めている所に自分を戻す為に。
続く
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