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Entitled


友達のナタリーの家でおしゃべりをしていた時のこと

私が知らないナタリーの友達が遊びに来た。

ちょうどその時、ナタリーが寝つきが悪いというので

筋肉反射テストを使って、どのアロマを使ったらいいかというのを

ナタリーの体に聞いてたところだった。

『ペパーミントがいいみたいだよ』とカラダからの反応を伝えると

早速やってみるわ〜今日の夜が楽しみ〜なんて言ってた。

その一連を見て、ナタリーの友人が

『これって、私がどうして彼氏ができてもうまくいかないか

 調べることもできるのかしら?』

と質問をした。

『どうだろう?カラダに聞いてみようか』

そう言って、

筋肉反射テストを使って、ナタリーの家にあるエンジェルカードから

反応があるものを探した。

すると

『Entitled 』

というカードが選ばれた。

私は普段使わない言葉なので、首を傾げながら

『ねえ、あなたが彼氏とうまくいかないでこのカードが出てきたんだけど、

 このカードのEntitled って、どういう意味?』

と聞きながら、ナタリーの友人の顔を見ると歪んでいた。

不穏な空気が流れる。

ナタリーの方をチラリと見ると『あーあ』という顔をしている。

" Well..... "

そう言って、気まずい雰囲気が漂う中

私は、誰かが口火を切るのを待っていた。

ナタリーの友人はナタリーに言った。

『このカード、私にあっていると思う?』

ナタリーが目を天井に向けながら、一息ついた。

『ええ。あなたのことを愛しているからいうけど、合っていると思うわ。』

そう言った瞬間に不穏な雰囲気というよりも、もっと重い感じになった。

私の心の中は

(グーグルさせて!どういう意味、どういう意味、どういう意味よー!!!)

と唸っていた。

耐えきれなくなって

『ごめん、Entitled ってどういう意味??』

そう聞くと、ナタリーの友人は口をギュッっと紡いでいる。

そんな風に言われるなんて、不服だと言わんばかりの表情だ。

ナタリーが言った。

『あのね、自分の責任を棚に上げて権利を主張したり、

 他人の好意を”当たり前でしょ”って要求したりするっていうことを

 Entitledっていうのよ』

ふと、日本食レストランでカウンターに座っていた子供がお皿を床に投げて割れた時、

片付けている従業員に何も言わずに、俺は客だからお前たちが片付けるのは当然だろ

という態度のアメリカ人をよく目にしたのを思い出した。

ふと、高級リゾートのスパで、お金を払っているんだからと無料のスリッパを何個も

自分のバッグに詰めているおばさんを見て、なんか嫌な感じがしたのを覚えている。

また、ある女性が、マザーテレサにインタビューをしていた時に、

中国の富裕層のおばさんがドカドカと入ってきて、

「私はこれだけの金額を費やしてわざわざあなたに会いにきてあげたのだから私と一緒に写真を撮りなさい」

とマザーテレサの肩に手を回して写真を撮って帰って行ったという記事を読んだことがある。

ジュエリーショップに行った時、女の人が店員に

『私がこんなチンケな宝石で喜ぶと思って、彼に売ったわけ?』

と突っかかっているのを見た。

その時に一緒についてきた、彼女の旦那さんらしき人は、

小さく小さく縮こまっていた。

そんな姿を見ていられず、私たちは外に出た。

カフェで隣に座っていた女性が

『男だったら、少なくともBMWぐらいは乗っていてほしいよね』

と言ってた。バブルか!と苦い気持ちになった。

そんなことを思い出していたら、ナタリーの友人はいたたまれない様子で

立ち上がって用事があったと言って帰って行ってしまった。

『なんか、悪いことしちゃったね』

そういうと

『ううん。私、夜ペパーミントのアロマを使うのがこれでますます楽しみになったわ。

 だって、あなたの筋反射テストの結果がドンピシャリだったんだもの』

『でも、あなたの友人、とっても可愛くて、おしゃれで、

 無邪気で素敵な人だと思ったんけど』

そういうと

『恵まれすぎたのよ。彼女のお父さんはね、彼女に全てを与えた方だったわ。

 だから、彼女自身、男の人が全部を解決してくれるのが当たり前だと思ってる。

 恵まれすぎて、他人を考えるよりも自分が満たされる方が先になっちゃうのよ。

 自分が満たされないと、あなた、どうにかしてってなっちゃうのよ。

 だから、男性に対して、あなたにあれもこれもしてもらって、

 当然でしょっていう感じになっちゃう。

 今回のあなたの言葉で、彼女が気づけばいいけど。』

なんだか複雑な気持ちになった。

男性との関係において、お父さんと娘の関係がとても影響を当てているのは

たくさんの女性を見てきて思ったことだ。

父が、ドラッグ中毒で

父が、アルコール中毒で

父が、暴力者で

父が、蒸発してしまって

父が、病気で

父が、浮気者で

父が、ギャンブルが好きで

父が、厳格すぎて、、、

そうやって沢山のお父さんに問題があって、その傷に悩んでいる女性が多かった。

そして、今、

父が、あまりにも素晴らしい人すぎて、、、、

という新種の悩みに出会った。

トニー・ロビンズが言ってたのを思い出す。

『あまりにも君の父親が、完璧に君に愛を与えることをくまなくしていたから

 君は愛をもらえるものが当たり前であり、それを与えられない男性を見下す。

 でも、それに応えられる男性はこの世の中にどれぐらいいるだろうか?

 女性に助けてもらい愛をもらいながら、男性は頑張っていける、

 それをパートナーというんだよ。

 男性に全部をのぞみ、自分は何もせず、

 ただただ娘のように扱ってもらうことを望んでいるのであれば

 君は、シュガーダディーを探せばいい。

 愛っていうのは、パートナーシップの中で

 お互いの’不完全’を補い合いながら生まれるのだから。』

家の帰ってからも、色々と考えさせられる時間だった。

翌日に

『いず美、久しぶりに私、ゆっくり夜寝ることができたの。

 ペパーミントのオイルすごいわ!』

とメッセージが入った。

筋肉反射テストって、、、、スゴイ。

癒すこともできれば、諭すこともするんですね。。。

モノクロから虹色へ

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