外出禁止で浮上したセッション内容
翌日にあったセッションのお申し込みは海外からだった。
『どうしましたか?』と聞くと
『小さなことですぐに怒っているんだ。
夫婦間に歪みが出ている。
妻の顔を見るのも嫌だ』
そんな内容から始まった。
昨日は、家族が欲しいという男性のセッションで
今日は、家族がいて忌々しいという男性のセッション。
何を持っているから、幸せなどということではないのだと、
自分の経験も含めてつくづく思った。
そのあり方のセッションができるってインテグレイティッド・ヒーリング(IH)をしていてよかったなあと思う。
さて、その男性に詳しく話を聞いていくとこんなふうに教えてくれた。
『イースターで、近所の友達が、イースターのバスケットを持ってきてくれたんだ。
僕と娘は、それを受け取って、ありがとうと言ってサヨナラをしたんだ。
それを見ていた妻が家の中から、
"どうしてそれを受け取ったの??
そのバスケットにコロナの菌がついていたらどうするのよ?!
そんなのを家に入れないで頂戴!
あなたは私たちを殺したいわけ??"
そう言われて、僕は、すごく頭にきたんだ。
もうそれから目も合わせていないし、
なんか手を洗うことすら馬鹿馬鹿しく感じてさ。
どこまで、気をつければいいんだよ。
子供が持ってきたバスケットを、菌がついてるかもしれないから要らないなんて
そんな情緒のない子供に僕はしたくない!
そして、妻のネガティブさには、もううんざりなんだ。』
彼の言わんとする状況は容易に想像ができた。
私も一生懸命に除菌するアンドリューに、
そのブリーチの匂いでカラダがおかしくなりそうだと訴えたばかりの朝だったから。
それにしても、彼の出来事に対するリアクションは大きい感じがする。
『では、何が今日のセッションのワークだと思いますか?』
『妻のネガティブさに負けないこと』
そういう彼に、潜在意識は全く反応を示さなかった。
『他には?』
『妻の、、、妻の。。。。』
『奥さんがあなたのトリガーになっているのは分かるんですけど、
奥さんのことは、奥さんのワークですから、あなたのワークしかできません。
奥様の態度によって、あなたがどういう反応をしているかということが
ワークになると思いますが。。。』
そういうと
『僕は、間違っていることをしていると言われると、頭にくるんだ。
僕には、ちゃんとプランがあったさ。
受け取るということをした後に、手を洗って、バスケットを一緒にあけたかったよ。
それを僕が、まるでバカかのように扱われてさ。』
と答えてくれた。
まるで馬鹿かのように扱われて、、、というところに潜在意識の反応があった。
『まるで馬鹿かのように扱われるというのに反応がありました。
私は外から聞いていて、奥様はお子様の安全を守りたい。
そして、あなたはお子様の情緒を育てたい。
二人とも子供のためにという愛からきている行動に思えるんです。
ただ、あなたがその奥様の行動によって、馬鹿にされていると感じる。。。。
それって、よくある傾向ですか??』
『ああ、僕は、父がいなくてね。
どういうのが父かよくわからないんだ。
自分が父としてどうあるべきなのか。
だから、一生懸命にやっているけど、それを認めてもらえないのがとても辛いんだ』
『馬鹿にされるかもしれない。それが根本にあるのは、辛いですね。
それを今日、ワークしませんか?』
『ああ。』
彼自身のワークは、『自分とのリレーションシップを取り戻し癒すこと』だった。
誰も彼のことを馬鹿にして彼を怒らせることができない。
できるとすれば、彼自身が自分のことを馬鹿にされる存在かもしれないと
怯えている時だけだ。
あとは、『何言ってんだ?』
で済む話だから。
もしも誰かの言葉に反応を大きくするのであれば、
きっとそれが自分のどこかの信念にあるんだと思う。
図星というやつだ。
これは、結構痛い。そして想像以上にリアクションをしてしまう。
その図星を突いてくる人(奥様)の目も見たくないなんて気持ち、よーくわかる。
そして、その人をネガティブだ!と批判したくなる気持ちもよーくよーくわかる。
自分とのリレーションシップを取り戻した彼がセッション後に言った。
『さっきのハイヤーセルフからのメッセージってあっただろう?
You are the architect of your life;You build its foundation, you choose its contents
(あなたがあなたの人生の建築士です。あなたが基礎を作り、あなたがその内容を選ぶのです)
僕の父親のあり方で良いって言う事なのかな。』
そう聞く彼に、
『私の尊敬するピラティスの先生が言ってくれた言葉なんですけど、
誰かをadmire するのはいいことだよ。
でも、そのやり方はその人にすでにtakeされている。
ただし、you のやり方は誰もテイクしていないし、テイクできない。
だから、あなたのやり方にgood at になりなさいって。
be good at being you って。
だから、きっとあなたのお父様ですら真似できない、
あなたしか出来ないあなたの父親のあり方があるんじゃないかなって。
情緒を大切にされるあなたと、安全を大切にされる奥様の両方がいて
お子様は安心ですね。』
目に見えない菌であるコロナが病気という目に見える形で出てくる一方で
私たちの中の目に見えない傷も目に見える形で浮上してきた。
今までは、ジムに行ったり、食べたり、飲んだり、仕事したり、友人にあったり
忙しくする事で見ないようにしてきた。
でも、それができない今、
目の前に見せつけられる環境で、それに向き合おうとする彼の勇気に
こうやってスピリチュアリティって高まっていくんだろうなあって
感じている。
スピリチュアリティとは、
自分が自分らしく生きられるところへと近づいていく事。
何者かになることではなく、
自分という人間により近づくということ。
そんなことを、コロナの件で外出禁止の状況とともに浮上した問題で
セッションを通じて感じている日々です。
モノクロから虹色へ