Emotional Absent Mom
アンドリューが子供達を連れ出してくれた日はリラックスできるわけじゃない。
溜まった洗濯物もあるし、
クライアントさんが来るまでの間に家を片付けて
食器を洗って、
掃除機をかけて
トイレ掃除をして
新しいタオルを出して、
自分の身形も整えて、
夕ご飯のことを考えながら、自分の昼食も用意する。
本当にバタバタバタと時間が過ぎていくのです。
その中でも、ただやるのではなく、オーディオブックを聞いてます。
イヤフォンを入れながら、ふむふむと聴きながら食器を洗う私。
ほうほうと聴きながら、洗濯物を乾燥機に入れる私。
自分時間を作ろうと頑張っていたけど、
毎日自分に10分間のピラティスをすることを決めたら
なんだかそんなに仰々しく自分時間を取らなくても大丈夫になってきたメンタル。
やっぱり体が強くなっていくと、心も強くなっていくものですなあと独りごちながら
マルチタスクをこなしていく私。
そして夕方になり、アンドリューが帰ってきて、
私は、子供達を車から下ろし、手を洗わせて、抱っこをしながら
「会えなくて寂しかったよ。」
「1日いい時間を過ごしてきたかい?」
と言って、ソファに座って抱きしめる。
何を見てきたの?と聞くと
「オットセイ!」とか「くじら!」と口々に声を高らかに言う彼女たちが
可愛くて顔がほころぶ。
目を真っ直ぐに見つめると次女は照れて、
「ママーママー」と胸によじ登ってきた。
身体中にいつものようにまとわりつく子供たちに笑顔で答える私を見て
アンドリューが「一人時間は楽しかったかい?」と聞いてきた。
「いや、めっちゃ忙しかったんですけど」と言うと
「それにしては、なんか表情がリラックスしているじゃん」と。
そこで
「今日、実はさオーディオブックを聞いて元気でちゃったんだよね」と言った。
「へーどんなオーディオブック?」と聞かれて
「あのね、Emotional absent Mom(感情が欠如した母)っていう本なんだけどさ」
というと
アンドリューが飲んだ水を口から吐き出す勢いで驚いていた。
「君は、なんでそんな本を読むんだよ!全く、そんなに自虐したいのか?」と。
「いや、そうじゃなくてさ、
その本を聞いていたらね、母親って、Tree of Life なんだって。
母親は大木でさ、
大きな木は、
日陰を作り休息を与え、
実を実らせて栄養を与え、
木に登らせて遊ぶこともさせる存在
なんだって。
それを聴きながらさ、あれ?これ、私全部やっているなあって思ったの。
でね、そのナレーターが言うのよ。
あなたが一番最後に母親の手を繋いだのはいつですか?
母親の体に猿のようによじ登り、ハグをしたのはいつですか?って。
私は、母親に抱きしめてもらったのって、3歳の時に朝目が覚めたとき。
それが最後。
あとは、私たちが結婚するときに、境内まで歩くのに、
アメリカはバージンロードは父親だけど、
日本は母親が手をとってくださいって巫女さんに言われたときに、
初めて母親の手を握った感じ。
きっと小さい時は手を繋いでいたのかもしれないけど、私の記憶にはないんだよね。」
と話した。
「で?そのオーディオブックから何を君は得たの?」
何を伝えたいのか、ポイントを聴きたくなる男性の特徴に
だらだらと話したい女性の私は、イラッとしながらも
話をつづけた。
「いやー私って、結構やってるなって思ったのよ。
大きな木の役割、やってんじゃんって。
夜中だって子供が起きたら、ハグしながら寝るし、
ご飯だってあげるしさ、まずいと言われても作り続けるし
この子たち、私の体に猿みたいによじ登るでしょ?
私、母親、やってんじゃんって思ったのよ。」
「君は、ずっと”私は大して母親をやっていない”ってずっと言ってたけど
そこまで自分ができていないって思っているなんて、知らなかったよ。」
そう言って、アンドリューは笑った。
いやいや、母親っていう職業がよくわからなかった。
だから、いまいち出来ている感もよくわからなかった。
「でもね、母親の感情の欠如の話をしているときにね、
恐ろしいこと、聞いたで。
母親の一番の役割は、その大木が倒れないようにすることです。
大木が倒れたら、被害は大きいです。
食べ物もなければ
休む場所もない
遊ぶ気持ちにもなれない。
それ以上に、その大木が倒れたら、後始末が大変です。
そこで質問します。
あなたのお母さんは、大きな木としてずっといられるために、自分のケアをしてきましたか?
栄養を自分に与え、水分を取る時間を設け、休む時間をしっかりと取っていましたか?
もしも、それが出来ていない母親であったのであれば、
それが感情の欠如の原因となります。
その感情の欠如した母から育てられたあなたはそれによって
自分を責めたり
自分は甘えてはいけないのだと思ったり
自分は必要のない子だと信じてしまったり
社会に出るのが怖くなったりしたことでしょう
だって。
おえええええってなったよ!」
「セルフケアが大事ってことだね。」
長々とドラマチックに話す私の内容をワンセンテンスでまとめる男性脳に冷たさを感じながら、
「そうなのそうなの。
ほら、だから、私、最近毎日5分ピラティスやってるでしょ?
前はさ、仰々しく1時間、ヨガに行きたい!って言って
なんとか週に1度行けたかどうかって感じだったでしょ?
でも、今は毎日やっているから、それをしたいっていう気持ちにならないのよね。」
そんな風にベラベラと話して夕ご飯を終えました。
私は何もできていない母親だと思っていました。
でも、私が一番しないといけないのは、セルフケアだということなのだと
気付いて、なるほどねーと。
クライアントさんの家の大きな樫の木が、台風が来て倒れて
ポルシェが大破したのを見たときのことを思い出しました。
どんなに子供がポルシェぐらいのポテンシャルを持っていても
木が倒れたら、ポルシェはぺしゃんこになってしまう。
ああ、木をしっかりと栄養を与え、根をしっかり張ろうと。
ということで、今日も19時に就寝です。
私のセルフケアは、よく食べ、よく寝て、よく動く。
おやすみなさいです。
モノクロから虹色へ
良かったら、こちらのクリスタルのボトルのお水を飲んで自分への水分補給いかがですか?
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