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Lost Voice




「言いたいことがあるなら言えばいいのに」


そう長女は次女に言った。


次女は黙って口を結んでいた。

3歳だけど、もう自分の気持ちはある。

それを言えずに彼女は口をつぐんでいるのを

私は車のバックミッラー越しに見た。


「そうじゃないよ」

私は、口を挟んだ。

あまり兄弟喧嘩には、危なくない限りは口を出さないようにしてる。


二人でどう治めるのかも大事だと思うから。


でも、私はその晩は言わずには、いられなかった。


「あのね、She Lost her Voiceなんだよ。」


と私は、言った。





事の発端は、長女が次女に「うんこーうんこー」と次女の名前にうんこと付けて

面白がって歌っていたことだった。


それを言われて、次女は黙ったのだ。



長女がそんな歌を歌ったのは、その日が初めてではない。

かなり前から、歌っていた。


私は、

運転をしながら長女に言った。

「ねえ、覚えてる?

 前は、やだ!って妹は何度も言ってたわ。ちゃんと怒った。


 ちゃんと、あなたに伝えてた。

 

 でも、あなたはそれを聞かなかった。


 一生懸命に伝えても聞いてもらえないと何が起こるかわかる???


 いうのを諦めるのよ。

 言っても無駄。

 でも、この人のことが大事だから、好きだから、

 我慢するの。我慢して、

 その嫌な時間を耐えるようになるの。


 過ぎ去るまで、心をクラッシュしながらね。


 あなたは楽しいかもしれない。

 でも、あなたが笑って楽しんでいる間、妹は心が

痛いってなってる。


 今のを聞いて、どう思う?」


そう、長女に聞いた。


「ごめんなさい」


そう、悲しい声が聞こえる。


「あのね、怒っているんじゃないの、ママは。

 

 ママね、


 昔ね、小さい時、

 あなたと同じぐらいの時、大きな男の人に蹴られてた。


 やめて

 って一杯言ったけど、ずっとその人は笑いながら蹴ってたよ。


 そして

 やめてっていうのもやめたの。

  聞いてくれないから。

 でね、蹴り終わるまで待つしかなかったよ。


 I lost my voice だったんだよ。


 そしたら、

大人になっても自分の声を取り戻すのにすごく時間がかかったよ。

 そんな思いは二人にしてほしくないのよ」


すると、長女は

「わかった。ごめんね」

と次女に言った。



そして

家に到着した。



次女は、車から降りるとパパに「I lost my voice 」と言ってた。


それにしても、

何か私のなかで、腑に落ちなかった。


家の中で娘たちの「NO」を

尊重することはちゃんと意識的にしてるのに。



それを

そのあと、

気づくことになる。


続きはYoutubeで





モノクロから虹色へ


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