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Self Empowerment とは  1

ヨガインストラクターのサナエは、とても怖がっていた。


クライアントさんからクレームがきたら、と思うと

ビジネスを手広くできないと。


彼女の教室はいつも満席で、

彼女自身、一生懸命に勉強することもあって

知識も豊富だ。


先日は500時間のヨガインストラクター資格を与える講師にも合格した。


彼女から学びたいと思う生徒さんは沢山いる。


でも、サナエ自身が自分が作った教科書にクレームが来たら、と思うと

なかなか講師としては働けない。


とのことで、ヨガインストラクターとして、都内のスタジオで働く毎日だった。


自分がスタジオをオープンしたら

きっとクレーム対応とかに追われるわ。


そしたら、教えたい時間よりも、文句を言われる毎日になって心が死んじゃう。


そう悩んでいた。


でも、

毎日生徒さんから「サナエ先生から、ヨガの資格コースを受けたいです」

と言われる。


サナエは、1日の仕事を終えて、都内のビルを出た時、

あまりにも夏の日差しがまだ夕方でも強くて目を細めた。



地下鉄乗り場まで歩いていくと

後ろから、ポンと肩を叩かれた。


振り向くと、そこには、ヨガのインストラクターコースを一緒に受講したトモカがいた。



「サナエ、元気?」


そう聞かれて、「うん。元気にしてるよ」と答えた。


「トモカは?」


そう聞くと

「うん。ヨガの資格を与える立場になって、スタジオを開業したの。

 とっても忙しいんだけど、充実してるわ。」


と答えた。



「え?」


「ほら、一緒に受講してから半年が経ったじゃない?

 あの時サナエがいっぱい落ちこぼれの私に教えてくれたから、

 私、いっぱい理解できたの。


 ありがとう!」


サナエは「よかったね」と口で言いながら

心が、かげった感じが否めなかった。


「サナエも、もう始めてるんでしょ??? 

 私で満員だから、サナエなら超満員なんだろうな。」


呑気にそんなことを言うトモカに、サナエはイラッとした。


「いや、まだ勉強が足りていないし。もっと他の人から学ばないと」


「へー私は、教えながら学んでいるって感じ。

 この間も、生徒さんから質問が来て、全然答えられなくてさー」



そう言うトモカを横目に、


(無責任!馬鹿じゃないの?私だったら、そんなインストラクターから学びたくない!)


そうサナエは心の中で強く、トモカをジャッジした。


「あ、次の電車で行かないと、間に合わないんだ!

 今日は、私の苦手な解剖学を教える日だから!


 また、今度ゆっくりお茶でもしよう!」


そう言って、軽やかにトモカは走っていった。


残されたサナエは、なんともいえない敗北感と、悔しさと嫉妬でいっぱいになった。


(どうしてあんな中途半端な彼女が教えられて、私が教えていないのだろうか???)



とっても仲よく時間を過ごしたのに、

心の中で罵る自分に嫌気を感じながら、サナエは、近くの喫茶店に寄ることにした。


喫茶店では、一人のマスターが、試験管見たいなものでコーヒーを淹れるという

こだわりの店だった。


店内は、ガランとしていて、ベロアの生地でできた椅子が古臭さを増してた。


スタバみたいな、オシャンティさはゼロの昭和な喫茶店だった。



カフェオレをオーダーして、席にどさっと座った。

なんか立ってることに疲れてしまった。



携帯でSNSを見ても、むしゃくしゃする。


なんかむしゃくしゃする。


これじゃ、ヨガの八支則に違反するわ。。。。。



カフェオレを持ってきた店長がサナエに聞いた。


「私は、あなたの悩みを解消できますよ」


ギョッとしたさなえ。


「あのー怖いんですけど」


するとマスターは一枚の紙を渡した。





続く




モノクロから虹色へ




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