Self Empowerment とは 2
マスターから一枚の紙を渡されたサナエ。
なんかこわーい鬼みたいな人が頭から
変なもん吸い取ってる?
それとも
変なもん吹き込んでる???
なに何?
このマスターもこの絵も、両方マジで怖いんですけど。
「この絵の下に書いてある英語の意味わかりますか?」
そう聞かれてサナエは初めて絵に目を向けた。
なんか、ごちゃごちゃ書いてあって、よくわからない。
小学生から通った英語も、こういう時に何の役にも立たないわ。
そう思いながら、首を横に振った。
するとマスターは
「あなたは、Bitter 苦い思いかBetter気分が上がる思いの、どちらかになることができます。
それぐらいシンプルなのです。
過去に起こってハンドルしたことを自分より良い人間にするように使うか、
過去に起こってハンドルしたことで自分をボロボロにするか。
その選択は、運命に委ねられてるのではなく、君に委ねられているのだ。」
と、意味深に言った。
「は?これが私と何の関係があるのですか?」
「いやあ、なんとなく、お客さんにこの意味を渡すとみんな
なっるほどって言って、納得されて帰られるので。。。」
(なんだ、当てずっぽうで渡されたのか。)
そうがっかりしながらも、サナエは、置いてかれたその紙を手に取って眺めた。
今の私は、苦い思い。
嫉妬とかチクショウとか。
今まではそれを土台にして頑張ってきたけど
こうも、自分がしたいことの姿を見せられちゃうと
苦い思いしかなれないよ。
その紙をバッグにしまうと
携帯電話がピカピカ鳴った。
トモカだった。
げ、一番話したくないのに。
そう思いながら、着信を無視しようとしたけど、今日は留守電に切り替わらない。
なんなの?
と電話に出た。
「はい」
「あ、サナエ?
あのね、さっき言い忘れたんだけど、、
私たちって、友達よね?」
え?
息が詰まった。
友達だったら、スタジオオープンを喜ぶはずなのに
なんか悔しい気持ちでいっぱいになった自分を恥じた。
だからすぐには「そうよ」と返事ができなかった。
「あ、返事に困ってるーなんでー?」
あっけらかんというトモカに、拍子抜けしながらも
「えっと、なんか、ごめん。なんか、、、、」
しどろもどろのサナエにトモカは言った。
「アヒムサーってなんだっけ?」
「えっと、それは、苦痛を引き起こさないことが語源で、暴力や殺しを行ってはいけないということよ」
「じゃあ、サティヤは?」
「うん、自己の利益のために嘘をつかず、誠実でいること」
「じゃあさ、ブラフマチャリヤってなんだっけ?」
「えっと、エネルギーをムダ遣いせず、必要なところに集中させるべきという教え」
「今のサナエ、これできてる??」
沈黙があった。
私は、自分に苦痛を引き起こし、自分に対してもトモカに対しても暴力的な考えを持ってた。
自分のプライドを守ろうとして、トモカに、嘘をついた。
私、エネルギーを人を妬むところにつかって無駄遣いしてる。
「本当だね。」
「サナエは私よりも教えるのも上手だし、知識も豊富だし、どうして教え始めないの???
本当に不思議」
サナエは深呼吸をした。
嘘をつかない。。。
「あのね、クレームが怖いの。自分の知識が足りないかもしれないって思って怖いの。
トモカは怖くないの?」
そういうと、トモカは言った。
「私は、世界に愛されてると信じてる。
私は、世界に助けられてると信じてる。
だから、誰かが何かを言ってくれたら、私にとって、助けてくれることなの。
自分が足りない部分を、教えてくれてラッキーって思う!
だって、自分じゃ気づけないところだから。
だから、私は、サナエが一緒でラッキーって思った。
私は、本当にラッキー。
世界はいつも私の味方なんだなあって思うんだ。
サナエ、きっとサナエほどの知識と経験と実力があれば、誰かが何かを指摘してくれたら
もっと凄いことになっちゃうんじゃない?
あ、電波が途切れる!じゃあね!」
言いたいことだけ、言って、去っていった。
私が捉えたいように捉えることができる。
今この瞬間に、
トモカの電話を
嫌味と
とるか、
背中をおされた、と
とるか。
誰かのコメントを
クレームと
とるか、
手助けと
とるか。
その選択は、運命ではなく、私の手に委ねられている。
自分に都合のいいように考える力を持つトモカは最強かもしれない。
誰も彼女の気持ちを害することはできない。
全部、自分にとっていいようにとってしまうから。
世界は私を愛してる
そんなフィルターで世界を見ることを私はしてきただろうか???
物のチラシをみれば、いらないものを売りつけられる気持ちになり
声をかけられれば、何?とガードを張り
お願いをされれば、きっと後から文句言うくせに
と、私の周りの全てが敵としてみてた。
この絵の怖そうな鬼も、私を愛するために存在してる人物だと考えたら
変なもんを吸い取ってるわけでも
変なもんを吹き込んでるわけでもないんだ。
私は世界を敵にみて、ずっと、エネルギーの無駄遣いをずっとしてきたんだ。
「ブラフマチャリヤ。。。」
そうサナエは唱えた。
カフェオレの氷がカチャンと溶けて音を放った。
おしまい
エンパワリングの一つは、自分が自分でいられるフィルターを自分の中に持つこと。
つまり、世界に私は愛されてると信じてやまないこと。
私たちは世界から無条件に愛されてる。
モノクロから虹色へ
(注足)
今回のヨガの八支則は私がアーユルベーダの学校に通っていた時の内容をもとに書いてますので
いろんな解釈があることをご考慮くださいませ。
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