初潮が始まるのが怖いという9歳の女の子
先日友人の家に遊びに行った時のこと。
帰り際に、9歳の娘さんが来て
「いずみちゃん、Period(生理)っていつ始まるの?」
と質問をしてくれた。
旦那さんが後ろで
「その話は、いずみちゃんから聞いたほうがええ」と
いう声が聞こえた。
急な質問だったが、いつも私が思っていることを正直に伝えてみた。
「私が始まったのは15歳だったかな」
「うちの友達で9歳でなった子がいるの」
「そうかー」
「Period(生理)が始まるのって、やだ」
「なぜ、嫌なの?」
「だって、毎月くるんでしょ。」
「ああ、そうか。」
そう言ってから、彼女に聞いた。
「あのさ、ミラクルって知ってる?」
「え、わかんない。」
「奇跡って言ってね、英語ではミラクルっていうんだけど、
Period(生理)が始まるっていうのはさ、
神様があなたに、もう体がミラクルを受け取れる時期に入りましたよ
って言ってくれたってことなのよ。」
私の目を真っ直ぐに見る彼女に
私もしっかりと目を見て答えた。
「あのね、今までは、お母さんが言うこと、お父さんが言うことをやってくることで
守られてきた。でも、Period(生理)が始まるって言うことは、もうすぐあなたも
お父さんやお母さんと同じように、ミラクルを経験できるパスウェイに入りましたよって言うこと。
それってさ、すごく美しくて、素晴らしくて、かっこいいことなんだよ」
「へーでもさ、学校で始まったらどうしよう」
「どうしたらいいと思う?」
「うーん、ティッシュを挟むとか?」
「そうか、そうか。それよりも、もっと素敵なものをいずみちゃん、持っているし知ってるから
教えてあげる。お股を温かく包んでくれるの。それをギフトするよ。そして、お祝いをしよう。
あなたの体がミラクルを始めることができるお祝い。」
そういうと彼女の先ほどの懸念した表情から一点、笑みが溢れた。
「どこで始まったってね、すごいことだよ、それってさ。
つまり、ミラクルは自分が予定していない時にさっと渡されるものなんだ。」
彼女の目が、私をじっと見る
彼女のまっすぐな視線が私の黒目の奥に入っていく。
「ミラクルを”え?”って思うタイミングで受け取れるか?って試される気もするよね。
ミラクルを、自分のタイミングじゃないからって嫌に感じるのに慣れちゃうとさ、
これからの人生で起きる様々なことに対して、嫌だって姿勢に変わっちゃうんだ。
そうじゃない。
ミラクルをどんなタイミングでも受け取れる力を持つ人って、パワフルだと私は思うんだ」
小難しいことを言って、キョトンとする彼女に
コホンと咳払いをして私は話題を変えた。
「一つだけ、チェックしてほしいことがあるの。
出てきた血の色がね、真っ赤やピンク色だったら、ミラクル準備オッケーってこと。
でも、
その色が黒かったら、体がね、助けてって言ってるんさ。」
「あ、じゃあ、そう言う時は、ちゃんとご飯を食べるとか?」
「そう、ご飯もそう。睡眠もそう。そして、あとはね、」
そういいながら、私は、彼女の頭を触っていった。
「ここを使いすぎな時よ。
ここ(頭)を使いすぎるとね、血の色は黒くなってくる。
だからね、」
そういいながら、手を彼女のハートに当てて言った。
「ここを使うようにするの。
嬉しいこと、エキサイティングなこと、自分が楽しいと思うこと、
それをするの。
頭ばかり使ってたら、ミラクルは来ない。
ハートを使ってたら、ミラクルばかりよ。」
そう言うと、彼女の母親が
「それが一番大事や。いいこと言った!」
と座布団をくれる勢いいで声がかかった。
「ミラクルがあなたのお腹で起きるから、
ママはあなたに出会えた。
あなたも妹に出会えた。
すごいことなんやで。それを神様があなたにもあげるって言ってるのがPeriod(生理)。
だから、それがきたらお祝いしよ」
そう言ってハグをした。
知らないことは、誰だって怖い。
だから、嫌だなって思う。
でも、それを誰かがすごく楽しいことだって教えてくれたら、楽しみに変わる。
帰りの車の中、2人の娘が寝ている中で
私の頭は既に、彼女の儀式の流れを考えていた。
彼女が女性としての登竜門となる儀式にしてあげたい。
自分の娘だと嗚咽で言葉にならないかもしれないけど
友達の娘なら、きっともっともっと温かく優しく儀式が運べそうだと感じながら、
この儀式がどの女性も祝ってもらえる世界になったら。。。
と、想像が止まらないのです。
モノクロから虹色へ
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