女性のためのバイブル第1章④女性の持つパワー?
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波止場に到着すると、一人の男性が立っていた。そして、その彼の周りには沢山の女性が船で島へ行くことを楽しみに待っていた。エミリは、そこにいた一人の少女に聞いた。
「こんにちは。私はエミリ。あなたもクラウン島へ行くの?」
「こんにちは!そうなの!」
そう大きな声で少女は答えた。
「あなたは、島に行くに楽しみ?」
「ええ!だってそこで大人の仲間入りができるのだもの!
私ね、先月、生理になったの。家族みんなにお祝いしてもらってね。
この島へ行く時が来たねって言ってもらえたの。
生理が来ないと、クラウン島へは行けないから。
ああ、これで私もママみたいに男性に愛されて大切にされることを学べるんだわ!」
それを聞いたエミリーは、彼女の言葉のいくつかに驚いた。
(生理をお祝い?)
そして自分が初潮を迎えたときのことを思い出した。
母は言った。
「あんたもめんどくさいもんが始まったね」と。
「これから大変よ。毎月痛くてしんどくて、こんな忌々しいものなければいいのにね。まあ、子供を産むまでの我慢よ。頑張りなさい。痛くなったら薬を飲めばいいからね。」
思い出しながら、眉毛を潜めた。
(この子は祝ってもらったんだ。)
心の奥がチクリとした。そこから自分の女性としての人生の方向が狂い始めた気がした。
(しかも、”男性に愛されて大切にされる?)
それは、男性が仕事にいき、お金を払って家賃を納めてくれるってことかしら?
その代わりに、我慢を強いられている母親も見てきた。
夜に喧嘩をしているのも聞いた。
母が泣きながら、「出ていくけどお父さんとお母さんのどっちと一緒に来るの?」と聞かれた夜もあった。
「お父さんがいないと、私たちは食べていけないから、我慢して一緒にいるのよ。でも家のことを何もしてくれない。今日の結婚記念日だって覚えてもいない。」
そう言って鍋の底にこびりついたコゲを茶色いタワシでゴシゴシと力を入れてこすっている母の姿は、エミリにとって苦しく痛々しかった。
社会を継続するために、
女は生理が始まり、
その痛みなど我慢をして子孫を残し、男性に飼われている女。
そんな姿しかエミリは知らない気がした。
悶々とした。心の中がざわついた。
同じ次元に、同じ時代に、同じ空間に同じ女性としているのに、この違いはなんなの?
私が知らない次元が存在している。
船に乗る前から、自分の当たり前に思ってきた世界と違う世界が存在しているのを感じた。
この少女の言葉に思い耽っているエミリの頭上を
「さあ、船が来たぞー!!」
と、男性の声が飛び、ハッと顔をあげた。
目の前に広がる海の彼方から、たくさんの女性を乗せた大きな船が近づいてきた。男性が力強く、ギッチラオッチラと漕いでいる。
近くに立っていた男性に
「今度は、あなたがあの男性達のように船を漕いで、私たちをクラウン島へ連れて行ってくれるの?」
そう聞くと
「ああ」
と言った。
「どうやって島に行く方法を知ってるの?見た限り、カーナビみたいなものも何もないみたいだけど。」
不安そうにエミリが聞くと、
「歌があるから、それを歌いながら行くのさ。」
と彼は陽気に答えた。
「歌?」
「ああ、ずっと言い伝えられていた歌がある。本当はいろんな方法が書物に残っていたんだけど、何百年も前に、西洋人が植民地にするってこの国に来た時に全部先祖の残した書物を「くだらない!」って言って馬鹿にしながら燃やしちまったのさ。
「野蛮人!」ってね。それを見て悲しんだ先祖は、なんとか残そうと、歌にしてくれたんだ。
口伝えであれば、焼かれる心配もないし、取り上げられることもない。俺たちのDNAと記憶に刻まれていくからさ。」
エミリは自分の金髪の髪を恥じた。私の先祖がこの先祖を馬鹿にして大切な書物を焼いただなんて。どっちの方が野蛮人なのだろう。
悲しい顔をするエミリに男性は話しかけた。
「君が今から行くところで、きっと素敵な経験をするのだろう。」
「どうしてそれがわかるの?男子禁制の島だって聞いたけど。行ったことないでしょ?」
「だって船を漕ぎながら、女性たちがいろんな話をしてるのを耳にするからね。そして女性が自分の持ってるパワーを理解して、大切にして使ったら、こんなにすごいんだって何度も見てきたからさ。
この間は、すごい剣幕で旦那に怒っていた女性を島に連れて行った事があったんだ。
その女性はさ、帰り道には、泣きながら旦那に早く会いたい、抱きしめたい、私の人生を彼と共に過ごしたいって言っててさ。
初めてこの船を漕いで女性たちを島から本土に連れてきた時は、(どんなマジックマッシュルームを飲ませたんだろう、あの婆やは!)って思ってたけどさ、毎回そういう風に変わる女性を見てさ、なんかすごいことを学んでいるんだろうなあって。
しかも、帰ってくる女性はすごく美しくなって帰るんだ。
見た目というよりも、なんだろう、内側から凛とした表情が出てくるんだ。
見ていてゾクゾクするよ。そこの橋渡しは、俺の家系しかできないからな。
この歌を知ってる俺の家系しか。だから俺は誇りを持って船を漕ぐんだ。愛の橋渡しの貢献だもんな」
「女性の持つパワー…」
そんな言葉を聞いた事がなかった。
女性はいつも男性に言いなりになるしかないのだと。
だから、男性に幸せにしてもらうために、豊胸したり整形したり媚びてみたりする友人は周りに沢山いた。もしくは、男性に媚びないと決めて男性と同等に働くのだと頑張ってる友人もいる。
(私は脱落したけど。)
そんな風にエミリは自虐的に思っているうちに、船が到着した。
降りてくる女性は、さっき男性が言ったようにみんな凛としながらも、それでいて可愛い表情だ。
そこには40代女性もいた。色々な世代がいる中で、歯の矯正が出来てないみっともない歯並びの人もいれば、驚くほど体の大きな女性もいた。でも、全員が凛として美しく見えた。その彼女たちが放つ光景が金髪で華奢な体のエミリを怖気づかせた。
(私だってそこそこ、モテてきたけど…)
そう言ってみたが、彼女たちには、エミリが持っていない何か目に見えない自信のオーラがある気がした。(なんなの?)そう思った瞬間、一人の体の大きな女性と目が合った。
彼女が微笑みながらエミリを見た時、エミリは何か敗北感を感じた。
(なんで、私がこんな体の大きなおばさんに、ひるんでるのかしら?)
髪の毛をかき上げて、気を取り直したが自分があんな笑顔をした事がない事を、腹の底では分かっていた。いや子供の頃にはしていたかもしれない…
いつから私はあんな風に笑わなくなったのだろう。
いや、笑えなくなったのだろう。
人が入り乱れる波止場でエミリは混乱しながら船に乗り込んだ。船が出発した後も、エミリはさっきの女性の笑顔が脳裏をチラつかせた。
正直、ずっと一緒にいて話をしたいと思う笑顔だった。
そして、エミリは過去の男性を思い出した。
いつも初めは男性の方が追いかけてエミリの気を引こうと一生懸命だ。
それが、少し経つとドンドンと離れていく。連絡が取れなくなる男性もいれば、「元カノと寄りを戻した」という男性もいた。その時、(体の関係を持てばすぐに男性は飽きて捨てるんだ!)と思っていた。
「男はカラダ目当てなんだ」と女友達に愚痴った夜も多かった。
でも、もしかしたら、自分に原因があったのかもしれない。
そう思うと、なんだかどっと気持ちが疲れてきた。
船の揺らぎに身をまかせながら、少し横たわって目を閉じた。
エミリにとって、これが世界の見方がガラリと変わる旅路の始まりだとは知らずに
夢の中へと沈んでいった。
第1章終わり。
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ここで第1章は終わりです。
お読みくださり、ありがとうございます。
さあ、
ここからエミリは女性としての自分と向き合い学ぶ時間が始まります。
きっと、エミリのようにセルフケアを知らない方っていらっしゃるのではないかと思い
セルフケアの入門編を作りました。
そして、そのクラスのお申し込み開始の準備が整いましたのでご案内です!
皆さんもエミリのように自分の体と向き合い、私と一緒に自分の体のケアを30日間を過ごしていきませんか?
今回は、【経血の綺麗な私!】を目標に、毎日体のワークをしていきます。
マリアがセルフケアとして行っていた一つのご紹介です。
カリフォルニア時間10月20日金曜日・日本時間10月21日土曜日朝に第一講義が始まります。(Day 2)
Day 1 :さあ、島へ出発です(動画学習)
Day 2:生理の血を読解する(ズームでのライブ学習 *後日視聴配信あり)
Day 3:セルフケアワークスタート!(動画学習)
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Day 30:
これ以降の詳細は、こちらの詳細ページから!
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