娘に何かがあったとき
『いず美ちゃん、娘がね、なんかおかしいの。 ちょっと見て欲しい』
そう教えてくれたお母さんに連れられて、7歳の少女は私のところにセッションにきました。
何があったかというと、
男の子にサークルを作られて、その中でいじめられたのだと。
その経験から、その少女は、怖くなってしまい、
その男の子にあうと逃げ出したくなる。
どれだけ、その男の子が
悪いことをしている!と頭で分かっていても
結局一人じゃ、何もできない奴だ!と考えたとしても、
その男子を見ると、体が怖くて逃げてしまう。
そんな悩みできていました。
学校のカウンセリングにも通っているけど、、、、
そう言ってお母さんはセッションの予約をしてきてくれました。
インテグレイティッド・ヒーリングは、
その人の全部を見たところからセッションをします。
その人の魂、その人の心、その人の栄養、その人の体の構造、その人のエネルギー
そんな全ての面を一括したセッションです。
だから、
その少女がその内容を話してくれたときに、
十分であれば、筋肉は『もう十分です』と反応を示します。
なので、
話を聞いている側としては、そのイジメのことで十分なはずなのに
彼女の潜在意識の反応は『まだある』と。
すると、母親が言いました。
『いや、その件は、その前にまだ一件あってね』
そう話をしだすと
今まで、『あいつが悪いんだ!』と言っていたエネルギーから一転、
少女の身体がクネクネとし始めました。
そのことについて話すのがとても居心地が悪いようでした。
その内容に
触れて欲しくない、
思い出したくない、
考えたくない、
それがあったことを認めたくない
そんなエネルギーが身体中を駆け巡っているように彼女は
身体をクネクネと動かしました。
私はそれを見て、
ああ、人の不快感は本当はこうやって身体中を駆け巡るんだ!!!
これぞ、まさに筋肉が反応をしているから
筋肉反射よね。
不快感ってこんなにも体の中を走るんだ!
体全体で、不快感って感じるものなんだ!
でも、いつからか、大人になると
その不快感を感じないように
頭で正当化をしてみたり、
ハートでガッチリ、鉄の壁を作ってロックして感じないようにしてみたり
体の一部に痛みとして出たりするんだろうなあ
しちゃうんだろうな〜
だから、筋肉反射テストといって、体の筋肉に耳をそば立てて聴く方法を今はしているけど
本当は体全部で、ここにエネルギーの詰まりがありますよって本来なら教えてくれるんだなあ
と感心したわけです。
さて、その体をうねりたくなる理由は、、、、
そのいじめの前にあった出来事。
それは、その男の子がこの少女にとって、元々はとても仲良しのお友達だったこと。
そして少し好きな感情があったこと。
でも二人の間で遊んで行っていたことが
大人にとっては、『よくないこと』というハンコが押されて
その男の子と遊ぶことが出来なくなったこと。
その『よくないこと』というハンコは
本当は、そもそも『興味があった』ことだった。
でもね、それってあまり良くないことだって知らなかった。
そして、それについて自分の親に嫌な思いをさせた結果になったこと。
それが悲しかったこと。
そしたら、その男の子が嫌がらせをしてイジメてきたこと。
他の男の子も総動員して、嫌なことを言ってきたこと。
だから、自分も『正しさ』を持ってあの男の子は嫌な奴だ!
と言い聞かせてきた。
でもね、
身体は、
その一連の全て
から逃げたくなっちゃうんだよ。
だって、本当はその自分が仲良く遊んでいたことだけだから。
でも、なぜか
それを『だめだ』って言われて
親に悲しい思いをさせてしまった。
その気持ちは言葉に表せないけれど、
セッションの中のストレスローディングという一つのパワフルな行程の中で
少女が言葉にできないストレスにアクセスをしているとき
『痛いよ』と何度も言っていました。
きっと痛かったんだろうな、その一連が。
正しさで物事が決着がついたり、誰かが成敗されるって、
いいことのようで、あっていることのようで
とってもdisempoweringなこと。
empowering だったら、両者とも元気になれるのに
正しいことが出てくると、誰かが元気ではいられない気持ちになっちゃう。
ところで、この少女。
セッション中に
『今度会ったらどうする?』
という問いに
『ハローっていう』
と答えていました。
嫌な思いにさせられた子にハローっていうか、、、
すごいなあ。
自分を集団でいじめて、自分がパニックになっちゃう要因となった相手を
すぐに普通に話すことできます???
大抵の大人は、許す行程を必要としますけど。。。
でも、
インテグレイテッド・ヒーリングは、いつもこうだなあ。
たくさん時間がかかりそうな問題が
本当に60分ぐらいのうちに全く違う立ち位置で物事を見ることを可能にするから。
そんな風に
私にたくさんの感動を残して、セッションは終わって行きました。
さて、
その数日後、彼女のお母さんから連絡が。
『今、娘が学校のカウンセラーといずみちゃんとのやりとりを説明してる〜
気持ちを聞かれた時に彼女が落ち着いてると答えてる。。。
本当に感慨深いし、お腹いっぱい胸いっぱいだよ 泣』
娘が誰かに嫌な思いをされてパワーを失うことほど
親として気が狂いそうになるぐらい心が痛むことはない。
それでも、その子を信じて力強く生きてほしいと願う。
この数年間、とってもとっても心が痛かったことだと思う。
相手の子をやっつけることが出来るわけじゃない。
その子を心から愛する人がこの世にいるのだから。
でも、娘をこんな思いにさせるあの子は許せない。
そんな風に私だったら思ってしまうかもしれない。
だから、
こうやって娘が自分の力を取り戻した姿を見てホッとしたことだろうな。
私は母親として、
このお母さんは、本当にすごいなと感じます。
だって、もしも、この少女のあのクネクネした動きのエネルギーが体のどこかに
付着して、停滞してしまったら
きっと彼女は何かしらの不要な信念を持って成長したことでしょう。
その姿は、きっと
何かがあるたびに、
その時に植え付けた『正しさ』と『居心地の悪さ』がクネクネと浮上して
彼女を悩ましたことだろうなと。
それって大人になってから
好きな人ができたけど、正しい行動をする男子じゃないから好きになっちゃダメ
とか
好きな人ができたけど、自分が好きになりすぎるとなんか悪いことが起きるから恋愛できない
とか
そういう感じでバックファイヤーする。
私もこのお母さんのように、
娘に対して、娘を見守り、信じ、そして適切なサポートを与えられる女性でありたいです。
今のままだったら、
鼻息荒く、鎌を持って相手の家に乗り込んじゃうぐらい自分を見失ってしまいそうなのが
容易に想像できてしまうから。
モノクロから虹色へ
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